『BAUER POTTERY』の陶器で楽しむ“カリフォルニアの色” 『BAUER POTTERY』の陶器で楽しむ“カリフォルニアの色”

『BAUER POTTERY』の陶器で楽しむ“カリフォルニアの色”

ショールームの扉を開けると、次々と目に飛び込んでくる色彩。カリフォルニアの老舗陶器ブランド『BAUER POTTERY(バウアー ポッタリー)』は、その鮮やかな発色でファンを魅了し続けています。アメリカ・オーストラリア・日本などの限られた国でしか販売されていないという、プレミアムな存在感も魅力のひとつ。そんな『BAUER POTTERY』の世界を探るべく、浅草にあるショールームにお邪魔しました。

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現在『BAUER POTTERY』のテーブルウェアは、日本の代理店・トライアップが卸販売を手がけています。同社が運営するショールームは、カリフォルニア州ロサンゼルスにある『BAUER POTTERY』のショールームを模したつくり。倉庫を改装したような無機質な空間に、色も形もさまざまな陶器が並びます。
『BAUER POTTERY』のはじまりは1885年。ドイツ移民のJ.A.バウアー氏により創業された、『BAUER POTTERY(陶器製造所・窯元)』という工場が原点です。当時は安価で地味な色合いの陶器をつくっていましたが、新たなものづくりを追求すべく、拠点をケンタッキー州からカリフォルニア州へ。

そこから20年の間、ガーデニング用陶器をつくる日々が続きました。
色彩豊かな陶器が誕生したのは、世界恐慌が始まった翌年の1930年。「身近なものを通じて人々の気持ちを明るくしたい」という想いから、当時のデザイナーと著名な彫刻家でもあるセラミックエンジニアは、テーブルウェアの新開発をスタートしました。2人の試行錯誤の末に完成したのが、現在知られている『CALIFORNIA COLORED POTTERY』ライン。1932?1933年には、『BAUER POTTERY』のもうひとつのアイコンであるリング柄が施された『RING WARE』ラインが発表されました。

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『BAUER POTTERY』の代名詞でもある鮮やかなカラーリング。これは、カリフォルニアの自然からヒントを得ているそうです。コーストラインの夕日、シトラス畑、太平洋、パームツリー…。地域の人々に馴染みの深いモチーフに着目した開発者2人は、それを美しい色合いで表現するために特製の顔料を開発しました。

バウアーオレンジ、バウアーイエロー、ミッドナイトブルー、ターコイズのメインカラーをはじめ、色のバリエーションは20色以上。そのうち日本で展開されているのは現在11色です。同じ形のアイテムを色違いで揃える人もいれば、お気に入りの色を集める人もいるのだとか。自分の好きな組み合わせを自由に楽しめる点も、『BAUER POTTERY』の魅力と言えるでしょう。

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実は、『BAUER POTTERY』は1962年に一度廃業しています。センセーショナルな商品であったがゆえに、ほかの陶器メーカーによる模倣が後を絶たず、ブランドの知名度が徐々に低下してしまったのです。それから36年の年月が過ぎた1998年。『BAUER POTTERY』のコレクターであるヤネック・ボニエキ氏の手で、ブランドは復刻を果たしました。
現在の工場は、当時の立地からほど近い場所にあります。製造されているのはすべて、1930?1940年に製造された商品の復刻版。

ボニエキ氏のコレクションからモールドをつくり、アメリカ本土の土を使い、当時の工法で忠実に再現しているとのこと。
『BAUER POTTERY』の陶器をよく見ると、厚みや色の付き方が1点ずつ微妙に異なっていることがわかります。これは、機械で大量生産するのではなく、職人が手間暇をかけてつくりあげている証。底の裏まで色をつけるために、3点焼きという手間のかかる手法を採用していることも特徴です。裏面に残った小さな3つの爪痕が、『BAUER POTTERY』のものづくり精神を物語っています。

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どんな料理とも相性のいい『BAUER POTTERY』のテーブルウェア。日本では、古民家風の和食店で使われたりもしているそうです。食器としてはもちろん、植物を飾ったり、アロマキャンドルを入れたり、ペンを立てたり…と使い方はアイデア次第。お気に入りのアイテムを見つけたら、ぜひ自分だけの『BAUER POTTERY』の世界を楽しんでみてください。

当時のオリジナル商品の再現にこだわっているため、新しい色やデザインが追加されることは今のところないようです。ただし、ボニエキ氏のコレクションの中でもまだ復刻されていないものがあるそうなので、今後の商品化が期待できるかも!?

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SHIPSは2015年春で設立40周年。これを記念して、『BAUER POTTERY』とのオリジナルコラボアイテムを年内にリリースすることになりました! 詳細はまだヒミツですが、従来のシリーズにはないカラーリングのアイテムになる予定。次回以降のSHIPS MAGで詳しく紹介したいと思っていますので、ぜひチェックしてくださいね。

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『BAUER POTTERY』 SHOWROOM

東京都台東区花川戸2-3-3
各線浅草駅より徒歩5?10分
03-6231-7531
※一般公開は主に土日。事前に電話連絡をすれば平日も可。