「77circa」DESIGNER’S INTERVIEW 「77circa」DESIGNER’S INTERVIEW

「77circa」DESIGNER’S INTERVIEW

トレンドとして人気継続中の、ボヘミアンやフォークロアなどの70’sムード。もちろんKhajuでも今季のキーワードとして取り上げているテーマのひとつ。今回は、古着をリメイクすることで新たに現代的に生まれ変わったデザインが、今の気分にフィットしたブランド「77circa」に注目。そのデザイナーである森山直樹さんにインタビューをしてきました!

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古着の良さは、時代背景を感じられるところ

――ブランドをスタートさせた経緯から聞かせてください。

前職で洋服から靴、アクセまで作っていたんですが、それとは別に僕が企画したリメイクのラインもやるようになったんです。途中からその反応がすごくよくなって、その反応を見て手応えを感じ、自分でやってみることにしました。もともと古着出身なこともあってずっとリメイクはやりたかったし、それ以前も個人で服を作っていたので、抵抗なく始められました。

――もともと古着がお好きとのことですが、いつ頃から? また、きっかけは?

中学の時からバスケットボールをやっていて、そこからNIKEが好きになって、NIKEの古いスニーカーやTシャツなどに興味を持ったのがきっかけですね。そこから古着全般に広がっていった感じです。

――古着のどんなところに魅力を感じますか?

古着は、そのものに理由があるというか、時代背景によって仕様やデザインが変わっていくところですかね。今であったら無駄であるようなデザインが、技術が発達していなかった時代のものには当たり前にあったり。そういう背景が感じられるところですかね。

――なるほど。77circaで展開しているアイテムは、基本的にはユーズドものをベースに作られているんですよね?

そうですね。大きなサイズの古着を仕入れて、サイズを小さくしたり形を変えたりする作業がメインですね。衿を全部取り外したり、袖丈を詰めたり。ステッチや開きなどの仕様にこだわってます。軍物にトレンチコートのトラッドな仕様を入れたり、土臭いアイテムにサテンなどの光沢のある素材を加えたり。そういうMIX感のある作り方が好きですね。

――古着の買い付けは主にアメリカですか?

アメリカですね。個人で古着のバイヤーをやっている友人がいるので、知識も経験も豊富な彼と連絡を取り合いながら、仕入れています。

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古着の持つ存在感、渋さが、良い意味で浮くと思った

――デザインにおいて意識していることや、モットーはありますか?

ベースに使っているものが80〜90年代あたりのものが中心になるので、必然的に20〜30年前に作られたものということになります。この20〜30年の経年変化のあるものを使う時点で出る表情みたいなものが、店頭に並んだ時に良い意味で浮くと思ったんです。存在感自体が古着にはあるので、あとはそれにどう現代的な仕様などを取り入れていくか、ということを考えて作っています。デザイナーズブランドにあるような、女性の体に沿った美しいラインというのはリメイクではなかなか難しいとは思うんですけど、そういうものとリメイクものを合わせてもらっても中和すると思っています。あるいは存在感として負けていなかったり。そのあたりには意識して作ってますね。あとはベースの古着の良さをあまり消さないように。女性の方が作るとどうしても可愛い感じに仕上がってしまうと思うんですけど、自分は男なのであまりそこに行きつかないんですよ。ベースの良さを殺さずに、いかに今、女性に着ていただけるか。あとは全身をうちの服で固めてほしいとは思っていないんです。セレクトショップさんで取り扱っていただくことも考えると、ほかのブランドのアイテムとも合わせてもらっていいように、商品単体の存在感を出せるように作っているつもりです。

――今シーズンのコレクションにおいては、どんなテーマを設けていますか?

この秋冬は、60年代から70年代のアメリカのヒッピー文化だったり、自由な雰囲気を全体で表せたらいいなというのはありました。ただ、あまり全体のテーマを固めることはしていないんですよね。先入観なく見てもらえたらいいなと思うので。

なぜその服を選んだのか理由を持って着ている女性はかっこいい

――77circaの服をどんな女性に着てもらいたいか、イメージする女性像はありますか?

自分が古着が好きっていうこともあるんですけど、洋服を選ぶ時に、“なぜそれを選んだのか”という理由を持っている人ってかっこいいと思うんです。古着には物の背景っていうものは確実に存在するので、ただ見た目だけで買うというよりは、私たちの提案する洋服を見ていただき、“理由を持って買う”ということのきっかけになってくれたらいいなとは思います。あとは古着屋に行っても何を買ったらいいかわからないような人に、古着を買う入り口になってもらえたらいいと思いますね。

――最後におまけで、森山さん行きつけの古着屋スポットがあれば教えてください。

高円寺は定期的に行きますね。まとめてたくさんの店を見れるので。

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77circaアイテム製作の様子。USEDデニムの裁断と、プレス作業。

森山直樹

1977年生まれ。埼玉県出身。アパレル関連の会社でキャリアを積んだ後、独立し自身のブランドを立ち上げる。その後レディースの物作りを学ぶためにアパレル会社へ入社。2014年に再び独立、「77circa」をスタート。

今回取材に協力してくれた店舗

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ボンダイカフェ 代々木ビーチパーク

BONDI CAFE YOYOGI BEACH PARK とは、BONDI CAFE の2号店。
井の頭通りに面したテラスソファー席からは代々木公園の大きな緑が望めるロケーションで、国産・産地直送などの食材にこだわったジャンルにとらわれない創作料理やバリスタによるスペシャルティーコーヒーも味わえます。

営業時間 AM9:00〜AM 2:00(LO AM 1:00)
住所 東京都渋谷区富ヶ谷1-15-2 Barbizon55 1F
電話番号 03-5790-9888
HPhttp://bondicafe.net/