装飾や過剰なデザインではなく、上質な素材感と飽きのこないミニマルな表情で使う者を楽しませる。そんな意匠を真摯に作り続ける「「SCHA(シャー)」と「Wanna Maria Fiori(ワナ マリア フィオーリ)」は、今世界で注目を浴びるクラフトブランドだ。前者はハット、後者はシューズの専業であり、各々が確固たる哲学に基づいて物作りを追求している。そんな気になるブランドの核心を、最新アイテムを交えながらご紹介する。
ハット 各¥17,000(+TAX)/SCHA
ハット 各¥17,000(+TAX)/SCHA
????まずはブランドを始めた経緯について詳しくお教えください。
「自分たちに必要なものを作らないといけないと思いブランドをスタートさせました。でも、同時にそれは、私たちと同じ気持ちを持った人たちにも必要なものになると思いました。すべての人に近くて、すべてのスタイルに合う、そしてユニセックス。そういうシューズを作り始めました」
????それは興味深いですね。では、物作りのインスピレーションの源になっているものを、可能な範囲で教えてください。
「そうですね、コンテンポラリーアートの世界には常に興味を持っています。またそれ以上に、アートの歴史を重視しています。昔の物を研究していると、常に新しいことを見つけることができるんです。そして毎日の生活のなかで、この靴を履いてどこに行こうか? と常に自分に問いかけています。ブランドではヨージ・ヤマモトをリスペクトしています」
????クラフツマンシップは“イタリア靴”の魅力の一つだと思いますが、やはりその意識は少なからずあるのでしょうか?
「現状、日増しにクラフトマンが減っているにもかかわらず、やはりそこには強い思い入れがあります。若い人たちがこの仕事に就かなくなって生産背景もかなり大変にはなっていますが、私たちは今やっている物作りの方法を今後とも続けていきます」
?????なるほど。加えて、無駄を削ぎ落としたミニマルなアプローチが印象的ですが、デザインにおいて最も重きを置いているポイントはどんなことでしょうか?
「WANNA MARIA FIORIはレディスでもなくメンズでもない、ファッションでもなく自分たちの生活の一部です。一足の靴を作るとき、それは常に私たちが絶賛するものです。そういうものを作り続けることを自分たちは最も大切にしています」
????現在は世界的にスニーカー人気も再燃し、よりコンフォートなシューズが見直されているように感じます。そんなトレンドに関して率直にどう思われますか? またそういった流れを意識したアプローチはあるのでしょうか?
「確かに、スニーカーの人気や履き心地の良さは気にはなっていますが、いろいろなブランドや商品はほぼ似ていると思っています。今現在それらとはちょっと違うものを作ろうと考えていますが、もうしばらく時間がかかりそうですね」
????それは今後が楽しみですね。日本(東京)のファションシーンに対してはいかがですか? どんなイメージをお持ちですか?
「まず、我々が日本のファッションの一部として選ばれたことを光栄に思います。日本のファッションは、すごく細部まで気を使っている気がします。シンプルでありながら、いろいろなディテールに凝っていて、自由に各々が個性を表現しているように思います」
????最後に、今後のブランドとしての目標やヴィジョンを教えてください。
「自分たちは、シンプルな本物の製品を誰かに提供するというよりもまず、シンプルに作ることに執着することを心がけています。この考えは変えずに自分たちの知識を上達させ、常に最高のものを作っていきたいですね」
外羽式のシンプルな短靴は、厚めのラバーソールを配しているため履き心地はスニーカーに近い。スムースレザーのアッパーは柔らかく軽量なだけでなく、オールブラックゆえ、どんな装いにもすんなり合わせられる。
シューズ ¥40,000(+TAX)/Wanna Maria Fiori
こちらは着脱がラクなスリップオンタイプ。トゥには丸みがありながらも、ワイズを抑えたシャープなフォルムのため、程よくドレス感が漂う。それでいてイージーパンツなどを穿いたリラックスカジュアルにも好相性だ。
シューズ ¥40,000(+TAX)/Wanna Maria Fiori