バッグ&小物ブランド、AMIACALVA(アミアカルヴァ)の商品をデザイナーが解説!
2009年、次世代のファッション業界を担うクリエーターとセレクトショップのマッチングイベント「ドラフト!」でデビューして以来、SHIPSとのコラボを続けているAMIACALVA(アミアカルヴァ)。栃木レザーを使用したソフトで高品質な革小物は、もはやSHIPSの定番品。また、ベーシックながらも一味違う魅力にあふれたバッグも定番的な人気です。今回はアミアカルヴァのデザイナーである加藤一寛さんにお話しを伺いながら、商品の魅力を伝えていきたいと思います。
アミアカルヴァの革小物は、天然素材の良さを引き出すために薄化粧の革を使っているのが特徴です。それを支えてくれているのが栃木レザー。いまやその名が広く知られていますが、僕らは昔からここの革を使っています。ピットなめしを用いた本当のヌメ革を作っているタンナーは日本でここしかないと思いますね。薄化粧という意味は、一般的にシュリンクや型押しで革の表情を付けていくことが多いのですが、僕らはなめした革をそのままタイコに入れてから回すんですね。そうすると革が本来持っているシボが出てくるんです。そのぶん1点1点の表情は変わってしまいますが、それも含めて楽しんで欲しいですね。
財布やカードケースなど、実用的な革小物って基本的なカタチはどのブランドも同じになってしまうんですよね。その中でどこまで独自性を出せるかは腕の見せ所です。あまりギミックに凝りすぎると嫌われますから(笑)
キーホルダー(茶、黒) 各?3','990/AMIACALVA
コインケース(茶、黒) 各?6','300/AMIACALVA
カードケース(茶、黒) 各?4','200/AMIACALVA
キーケース(茶、黒) 各?5','880/AMIACALVA
ミディアムウォレット(茶、黒) 各?16','800/AMIACALVA
ロングウォレット(茶、黒) 各?19','950/AMIACALVA
栃木レザーによる、アミアカルヴァ用に作られたヌメ革を使用。購入してすぐから使い込んだようなソフトな質感が楽しめ、また使い込むほどに味わいが生れる。その理由は、なめし終えた革をそのままタイコと呼ばれる大きな樽に入れて回しているから。それにより、革本来のシボが生まれ、質感も柔らかなものになる。
革小物の良し悪しは、コバと呼ばれる縁の処理などにも表れる。もちろん、アミアカルヴァでもコバの処理には細心の注意を払っている。自然な風合いながら、しっかりと整えるために2度3度と溶剤を変えながら磨いていく。コバが硬くなり過ぎないようにするのがこだわりポイント。専門の職人さんがひとつひとつ仕上げていく。
新作トートの素材には、65帆布にパラフィン加工を施したものを使用しています。一昨年あたりからトートがブームになり、出尽くした感もあったのでデザインするのは難しかったですね。“やり過ぎてないけど、どこかに新鮮味がある”そんなトートを目指しました。ポイントはハンドルの付け方ですね。底部でしっかり縫い込んで、上は強度のある鋲で留めることで軽快ながらも丈夫に仕上げています。また、口もとは生地の耳を仕様しているので、ゴツ過ぎない雰囲気が出ていると思います。やはりトートはガンガン使って欲しいアイテムなので強度は大事にしています。
僕の場合、デザインするときに何かを見て参考にすることはほとんどないんです。先にイメージが湧くこともありますけど、材料を集めて手を動かしながら考えることが多いですね。バッグもある程度カタチが決まっていますが、自分たちで新鮮さを感じないものは発表しないようにしています。また、トレンドを追いかけるのではなく、常に新しい定番品を作る気持ちで作っています。
バッグ 各?9','975/AMIACALVA
メイン収納口やサイドポケットの縁は贅沢に生地の耳を仕様している点が特徴。そのことで、一般的なトートよりも軽快な雰囲気に仕上がっている。
ハンドル部分がボディに縫いつけられていないのが特徴。そのぶん底をしっかり縫いつけており、また上部で使用している鋲は最高強度のものを使用している。