TADAO IGARASHI
SHIPS SHIBUYA
STORE STAFF
五十嵐忠夫
(シップス 渋谷店 ショップスタッフ)
Updated 2021.08.11
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あくまで“自然”なお洒落を
今年65歳になった五十嵐は、アイビーの洗礼をリアルタイムで受けた
トラッドの生き字引的な存在。’70年代以降に巻き起こった
様々なムーブメントを経験し、自身のスタイルに磨きをかけてきた彼ですが、
その末に至ったのは「自然でいたい」というマインドだそう。さて、その心とは?
今年65歳になった五十嵐は、
アイビーの洗礼をリアルタイムで受けた
トラッドの生き字引的な存在。
70年代以降に巻き起こった様々なムーブメントを経験し、
自身のスタイルに磨きをかけてきた彼ですが、
その末に至ったのは「自然でいたい」というマインドだそう。さて、その心とは?
「コーディネートで普段から気をつけているのは、“足し算のしすぎ”にならないこと。いくらファッショナブルであっても、街で浮いてしまうような服装は避けるようにしています。今日もネイビー・ホワイト・グレーの3色に絞って、基本シンプルにまとめました。そのうえで、一見気づかないようなちょっとした部分にツイストを効かせるのが私流の楽しみ方。たとえば、胸元のタイクリップにご注目ください。挿す位置を通常より少しだけ上にしつつ、ナナメに傾けることで遊びを加えています。こういう少しの工夫で、ベーシックは見違えるほど輝いてくるもの。洒落心を忘れず、それでいてあくまで自然に見えるスタイルが好きですね」
「スーツやジャケットスタイルは胸元が顔になりますが、ベーシックなシャツタイを好む私としては、ここで奇をてらうことはありません。その代わり、足元にハズシを効かせることが多いですね。今日は15年ほど愛用しているオールデンのホワイトバックスを合わせてみました。定番のグレーパンツも、足元が軽やかになると大きく印象が変わりますよね。“白い革靴”と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、装いに柔らかさを醸し出したいとき、実はとても便利なアイテムなんです。夏らしい涼やかさも表現できますしね。ほかにはコンビシューズもよく履いていて、コーディネートのアクセントとして重宝しています」
「近頃はダブルブレストのジャケットを着る機会が増えました。もともとは重厚感の高いアイテムですが、現在主流になっているものは軽く柔らかい仕立てを採用していて、着心地も見た目も別物といっていいほどに進化しています。そんな時流も受けて、今はダブルブレストも肩肘を張らずに着たい気分。そこで、あえて真ん中ではなく一番下のボタンを留めて無造作な印象を演出しました。ラペルの返りが大きくなるので、少しだけ着崩した雰囲気に見えるのがポイントです。本来はかなりの上級テクなのですが、ジャケットの生地や仕立てがソフトになった今なら自然に実践できますよ」
JACKET/LARDINI
SHIRT/ERRICO FORMICOLA
TIE/STAFANO CAU
TIE CLIP/STUDEBAKER METALS × SHIPS
TROUSERS/EQUIPAGE
SHOES/ALDEN
WATCH/IWC
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