夕陽と海の音楽会

音とお酒と夕陽に酔うオトナの夕涼みをテーマに、
リスニングに特化した大人のためのイベント「夕陽と海の音楽会」。
SHIPSがサポートを行っているこちらは、「踊らずに音楽を楽しむ野外イベント」として、
程よい緊張感と大人の落ち着きを求める方々に支持されています。

主催者である柴田雄一郎氏はこの音楽会を
“雲や太陽や風、移り行く情景、と音楽が一体化した唯一無二のイベント”と表現しました。
SHIPSの店内BGMを選曲している松浦俊夫氏がDJを務めたこの回の様子を、
当日の景色と共に振り返りたいと思います。
また、昨年も好評であった柴田氏、松浦氏へのインタビューも行いました。

9/15(日) @江の島駅

13:00

真夏さながらの日差しを受け、
会場である江の島シーキャンドルがある灯台を目指し進んでいく。
道中で目に映る青や緑の景色がそうさせるのか、足取りは不思議と軽い。

@江の島シーキャンドル

14:00

会場へ到着。目の前には空と海が混ざった最高のロケーションが用意されていた。

16:00

気温も落ち着き、ゲストが続々と集まり会場の席に一人、また一人と腰かけていく頃
リゾート地を思わせるような、リネンのスーツを着た松浦氏から本日の挨拶が。
松浦氏をはじめ、ゲストを迎えるスタッフの装いは白で統一されていた。

16:30

心地よくも強い風が吹く中、いよいよスタート。
当日の会場のムードに合わせ、その場で選曲をするというのが松浦氏のスタイル。
スピーカーから流れてくる音楽に呼応するように、会場内に高揚感が広がっていく。

17:30

晴れ間でありながら雲が多いこの日だからこそ見る事が出来た不思議な景色。
雲の向こうに陽が
雲の向こうに虹が

17:30

反対の空を見上げると月が。
この日は十五夜の二日前。
いよいよ沈みそうな夕陽と、
会場を繋いでいる松浦氏の姿が、景色の一部の様にも感じられる。

18:00

会場からはどよめきと、本日一番の拍手が起こる。

19:00

景色も一変。先程とは違うゆらゆらとした光に照らされる。
白のスーツに反射する光と音楽。心地よい空気に包まれ音楽会は終わりを迎えた。

INTERVIEW

柴田氏と松浦氏にインタビューを敢行。

─── 今後に向けて夕陽と海の音楽会の新たな構想はあるのでしょうか?
柴田構想と言えるほどのものはないですが、時代の多様性と価値観の変化も早い中で柔軟に進化と深化はしていこうと思っています。
江の島も20年前に比べ観光地化が進み、全てものがインバウンド対応していく中で、市民としては住民が置き去りになり、オーバーツーリズムも感じることもあり、より地元のカルチャーとして根付くことを考えています。
─── 近年オンライン上で完結するサービスが人気です。「体験」を提供する立場から何か意識されている事はありますか?
柴田聴く形が変わっても、音楽への向き合い方はこれからも体験価値として残っていくものだと思います。音楽の持つ「聴く」という本質と江の島という「場」の価値を最大限に活かせる様にすることが重要だと感じています。その為にも、音楽の価値を伝えることができるDJのセンスや経験値からうまれる選曲の重要性をとても意識しています。
─── 柴田様のInstagramを拝見させて頂いたのですがひと際目を引いたのは美味しそうなお手製のサラダでした。最近のお気に入りがあればお伺いしたいです!
柴田インスタの“#俺のサラダランチ“は100種類くらい全て違うサラダをつくっていて、今ある素材から組み合わせて新しいものを作り続けるという意味で音楽同様にクリエイティブな楽しみのひとつです。同じことを毎回違う形で表現し続けることはとてもクリエイティブな行為で、それは本業の新規事業も同じです。
新しいことはよく0→1といいますが、実は同じことを試行錯誤しながら積み重ね、その上にこそ生まれるものだと思います。クリエイティブな作業は同じことを繰り返しながらも、そこに新しい発見を生み出していくことだと思います。
─── 最後に、SHIPSのお客様へ一言お願いします。
柴田仕事柄かもしれませんが、イノベーションや新規事業という言葉を多く聞くようになったと感じています。欲しいものが簡単に安く手に入り、似たようなものが氾濫するコモデティー化した社会で本質的なモノが問われていると感じています。同時に、自分のスタイル、生き方が今まで以上に大事な時代であるともいえます。
同じ服を着て、同じ音楽を聴いている様に見えても、その人の経験や歴史、価値観を表現して違いを生み出せるか‥‥だからといって奇を衒う歳でもない。当たり前にみえる服やスタンダードを踏まえているからこそ自分なりの崩し方ができる、型が破れる。そんな歳の取り方ができる大人の遊び場でお会いできることを楽しみにしています。

─── クラウドサービスやサブスクリプションシステムの登場により沢山の音楽に触れる機会が増えた反面、何を取捨選択するかに迷う方も多いと聞きます。
普段から音楽と親密な距離にあるDJという立場から素敵な音楽と出会うきっかけや探し方を教えて頂けますか?
松浦「常に自身のアンテナを張る」ことが重要だと考えています。映画、文学、ファッションにも同じことが言えます。最初のきっかけは「おすすめ」でも構いませんが、その後は自分の好奇心を大切にして「自分探しの旅」を楽しむことができるかどうかが鍵です。その繰り返しが、あなたの人生を豊かに、そして彩りあるものにしてくれるでしょう。
─── SHIPSの店内BGMを担当頂くうえで意識されている事などはありますか?
松浦常に時代を感じることができるセレクトショップの店内で、同じく時代を感じられる音楽をセレクトしています。ふとしたきっかけで新しいお気に入りに出会う瞬間、その背景に流れる音楽として寄り添い、心地よいひとときを演出しようと考えています。
─── 本日の選曲だけでなくスーツの着こなしにも注目が集まっていましたね。
スタイリングの際に意識されている事や思い出に残るアイテムなどがあれば是非お伺いしたいです。
松浦ファッションのカジュアル化について否定するつもりはありません。第一の理由は、自分に最も似合うスタイルであるからです。第二に、スーツスタイルだからといって、ナイトクラブやホテル、レストランで入場や入店を制限されることはありません。数年前、海外でファッションブランドに隣接するレストランに招待されたことがあります。ジャケットは着ていましたが、足元はスニーカーでした。あやうく入店を断られるところでしたが、その場にいたデザイナーがレザー・シューズをプレゼントしてくれ、事なきを得ました。それ以来、「ハズし」のアイテムにも気を配るべきだと学びました。時代は変わっても、「衣食足りて礼節を知る」という言葉の通り、身なりを整えることの大切さを感じます。
思い出に残るアイテムは、90年代にSHIPSとGLOBE TROTTERとのトリプルコラボで制作したレコードバッグです。当時、ブラックやメタリックで機能性を重視した無骨なバッグが主流の中、ネイビー・ブルーのバッグはとても優雅に感じられ、異彩を放っていました。現物は手元にないものの、今でも心に深く残っています。
─── 最後に、SHIPSのお客様へ一言お願いします。
松浦オンライン音楽ストリーミングサービスMixcloudにてSHIPSをはじめとするプレイリストを公開していますので是非チェックしてください。

PLAYLIST

当日の様子を動画でもご確認頂く事が出来ます。

柴田雄一郎 YUICHIRO SHIBATA

湘南伝説のパーティー「FreedomSunset」
「夕陽と海の音楽会」主催。
DJ&トランペッターとしてHIROSHIMA WATANABE、
松浦 俊夫、井上薫などのDJとのコラボレーションの他、
PAUL MURPHY (CLAREMONT56)やCALMのトラックに
トランペッターとして参加。
湘南Balearicスタイルともいうべき幅広い選曲と
ライブで全国のフェスやクラブで活躍中。
また「逗子アートフェスティバル」のプロデュースや
企業のクリエイティブ・マネージャーも担当。

松浦俊夫 TOSHIO MATSUURA

1990年、United Future Organization (U.F.O.)を結成。
5作のフルアルバムを世界32ヶ国で発表し高い評価を得る。
2002年のソロ転向後も国内外のクラブやフェスでDJとして活躍。
イベントのプロデュースやホテル、インターナショナル・ブランド
などの音楽監修を手掛ける。2013年、現在進行形のジャズを発信
するプロジェクトHEXを始動させ、Blue Note Recordsからアルバム
「HEX」をワールドワイド・リリース。2018年、イギリスの若手
ミュージシャンらをフィーチャーした新プロジェクト、
TOSHIO MATSUURA GROUPのアルバムをワールドワイド・リリース。
「TOKYO MOON」(interfm 金曜 23:00) 好評オンエア中。

HP:http://www.toshiomatsuura.com
interfm「TOKYO MOON」:https://www.interfm.co.jp/moon/

EDITOR’S NOTE

月並みな言葉ですが、非日常感を強く感じる事の出来た機会となりました。
SHIPSの店内BGMでも使用されている曲が多数流れてきたのも印象的でした。

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