INTERVIEW
柴田氏と松浦氏にインタビューを敢行。はじまりからその全貌を探ってきました。
まず、このエリアでイベントを始めたきっかけを教えてください。
柴田:江の島シーキャンドルがリニューアルされた2003年のタイミングで、ここを活性化させたい、という思いから始めたのがきっかけです。当初はダンスイベントでしたが、年齢を重ねていくうちに、オトナになったことでしっとりとした雰囲気に重きを置くイベントにシフトしてもいいかなと。松浦さんからも、「ジャズを野外で聴くスタイルやイベントを、海辺でやってみようよ」というお話から始まりました。2001年、スペインのイビザ島にあるCafe del Marを訪れた時、夕陽が沈んだタイミングでお客様がDJと夕陽に拍手を送っていました。DJにインタビューを試みたところ「夕陽は毎日違うから、沈むタイミングに曲が終わる設定で選曲をする」と答えてくれました。本来のDJに対するイメージとは違い、まわりの環境に対して選曲をしている新しいジャンルでした。その経験をきっかけに富士山の見える最高のロケーションでDJイベントを始めました。
2日間のイベントを終えて、お客様の反応や空気感はいかがでしたか。
柴田:新しい音楽の聴き方ができたと思います。ここは屋外のジャズ喫茶と言えば分かり易いかな。2日間共にお客様に聞かれたのですが、「いつイベントが始まるのですか?」と。「いやもう始まっていますよ」となりましたが(笑)。 知らない方からすると、BGMが流れている会場と感じるかもしれません。リスニングに特化したスタイルは、今までなかった野外フェスとして近年やっと定着化してきました。まさに夕陽が沈んでいくタイミングは、壮大な映画のワンシーンを観ているかのような気分になりますし、夕陽と海と音楽が一体化した世界観を体験できる。波の音や、風の音も含め、すべてが一体となった音楽の環境を提供するという意味では、今までにない新しい音楽の聴き方を提供できているのではないかと思います。
湘南エリアの次世代の音楽の感性に関してどう思いますか。
柴田:クラブカルチャーを通ってきた親世代の影響により、20歳を超えた若い世代がレコードを買うようになる事が増えてきました。藤沢エリアは幅広い年齢層のDJが共演するパーティーのイベントもあり、年齢や世代を超えたクロスオーバーな文化も根付いています。親世代が経験してきた時代を若手世代の世界にまた拡張していますので、今後も盛り上がることは間違いないです。
最後に、SHIPSのお客様へ一言お願いします。
柴田:ファッションと音楽は密接な関係。僕たち運営チームも、イベントが始まると同時に全員白のファッションで揃えました。イベントやファッションも日常とはちょっと違う大人の楽しみ方だと思います。今回の様な音楽イベントにおしゃれをして出かけることで贅沢な時間を過ごすことができると思います。だから皆さんにもおしゃれをして遊びに出かけて欲しいです。
約3年ぶりの開催とお伺いしました。久しぶりのロケーションでのプレイはいかがでしたか。
松浦:以前はコロナ禍もあり、そして前回は台風で中止になりました。自身のツアーを終えて当日が「夕陽と海の音楽会」でしたが、オープンに間に合う事もできたし、3日間連続で晴天に恵まれたのは珍しかったので、すごく良かったです。 強風のコンディションではありましたが、途中DJブース上のテントを外したことにより、来場者の方に広い形で夕陽が見られたのも不幸中の幸いでした。そこに居合わせた人たちの感動は非常に大きいと思います。SNSや写真はありますが、この場所に来て、体験して見える景色はおそらく記録には残せないものであり、記憶に残るもの、というのは来場者の方たちの良さじゃないでしょうか。
当日の選曲した上で、何かこだわりや意識されたことはありましたでしょうか。
松浦:3年ぶりのプレイで直前までどのようにアプローチをしようか悩みましたが、実際にあのシチュエーションに置かれた時に、自然と曲が決まっていきました。何か導かれるかのような、特別なエネルギーを感じながら当日は状況に応じて臨機応変にプレイリストを変えていきました。直感的に選んでいたので、次はこれにしようというのは記憶にない程自然と流れていましたね。とても楽しかったです。連日イベントツアーをまわっていたことや、久々のロケーションでのプレイ、リスニングに特化したイベントではありますが、徐々に感情も盛り上がって身体が一瞬踊りそうになりました。ですが心が躍るイベントですので、自分の中でグルーヴしていけばいいと思い、選曲の流れを戻して抑え目にしましたね。
チルアウトというカテゴリーに聴き馴染みのない方に、どのようなものがチルアウトなのかを教えていただけますか。
松浦:ミュージックのジャンルは問いません。DJそれぞれジャンルを意識せずプレイするスタイルが、結果的に色んな音楽が一度で聴ける良さだと思います。自分の場合は心地良さを最優先したもの、セレクトしたものがチルアウトな気がします。「夕陽と海の音楽会」は着席のイベントなので、着席したままどう身体の中にグルーヴを感じたり楽しんだりできるかがミソだと思います。私は兼ねて15年SHIPSの店内BGMを担当しておりますが、毎月音楽を変えていく中でどれだけ新しい音楽を吸収できるか…。担当するようになり、生活の中で他ジャンルへの意識や、年代を遡った音楽に対してどうミックスして、新しく聴かせられるかという感性の部分も自分の生活の中で定着できるようになり、洋服もそうですが自分らさしさって何だろうと追い求めていくことが重要になってくるのではないかなと。最近はジャンルを横断した聴き方も、新鮮に聴こえて楽しいと言っていただけたりするので、時代も追いついてきた気がします。
今後もSHIPSはファッションと音楽を絡められるように仕掛けていきたいと思いますが、ファッションと音楽の関係性をどのようにお考えですか。
松浦:日常の中で非日常を楽しむことがある意味ファッショナブルであり、どう常に取り組むかが大事だと思います。音楽イベントに限らずですが、そういった場所へ積極性を持って出るのもひとつの楽しみじゃないでしょうか。食事や映画館、美術館へ行くときに何かテーマを作って装ってみる、というような事をもっと日常の中にあるべきじゃないかなと。仕事や日々の忙しさについ遊び心を忘れてしまいがちですが、今一度、感性を呼び起こしてみて、日常の中に落とし込んでみて非日常性を楽しむ機会がもっとあるといいですよね。来年はぜひドレスコードや、テーマカラーを決めたりしてお客様も楽しむことができる取り組みができたらいいなと思います。イベントではネイビーのジャケットを着ていましたが、これも海を意識していました。
最後に、SHIPSのお客様へ一言!お願いいたします。
松浦:洋服も音楽も積極性があれば、いくらでも挑戦できるし踏み込めると思います。自分でカテゴライズせず、色々なものを聴いたり、色々なものを着たりして、チャレンジして試行錯誤することはすごく大事なことだと思います。実際にお店に足を運んだ際の空気感やスタッフのコミュニケーション、それがやっぱりショッピングの面白さやファッションの面白いところだと思います。流れている音楽もですが、新しい出会いもあるので自ら出会いを求めて街に出ましょう!