Back Number 〜ミツキのオスミツキ〜

  • #1 シップスが掘り起こした別注ラコステについて

    2021.05.28

  • #2 シップス別注NAVYトゥミについて

    2021.06.28

  • #3 パドモア&バーンズに別注したスエード靴について

    2021.07.28

  • #4 パドモア&バーンズに別注したスエード靴について

    2021.08.28

  • #5 シップスのオリジナルブレザーについて

    2021.09.28

  • #6 シップスのオリジナルニットについて

    2021.10.28

  • #7 メルトンコートについて

    2021.11.29

  • #8 シップスのセットアップについて

    2021.12.28

  • #9 シップス バイ アサヒのデッキシューズについて

    2022.2.3

  • #10 バレンタインギフトについて

    2022.2.14

  • 番外編 FRIEND SHIPなトークルーム〜ミツキのオスミツキ〜「シップスのオリジナルニットについて」

    2022.2.16

  • #11 シップスのオリジナルニットについて

    2022.3.7

FRIEND SHIPなトークルーム〜ミツキのオスミツキ〜 FRIEND SHIPなトークルーム〜ミツキのオスミツキ〜

#11

シップスのオリジナル
ニットについて

シップスのオリジナルニットについて

ベーシックが好きだけど退屈なのはイヤ♡
そんな服好き視点を大切に日々いいモノの発掘に勤しむ
Beginプロデューサー ミツキが、
シップスのフレンドたちと対談。
長年の関係性をベースに、これぞ!な オスミツキの
アイテムを探す連載の第11回です。
今回のお相手はシップス オリジナル企画の高橋。
お題は『ニット』でいってみよ〜!!

2022.03.07

PROFILE

Begin
プロデューサー
ミツキ

1977年生まれ。(株)ワールドフォトプレス『モノ・マガジン』編集部を経て、(株)世界文化社『Begin』編集部へ。2017 年に10 代目編集長に就任する。'21 年10 月より現職。“いくつになっても中坊マインド” を胸に、心躍るコラボアイテムや新雑誌の開発に勤しむ。

PROFILE

シップス
シップス オリジナル企画
高橋直樹

1977年新潟生まれ。東京モード学園にて服作りの基礎を学び、アパレルメーカーを経てシップスへ。ニットをはじめ多彩なオリジナルアイテムの企画を手掛ける。大切にしていることは“生産者との二人三脚でのモノ作り”。本トークルーム第1号となる2回目の参戦!

上質な超長綿ならではの
滑らかーな肌触りを堪能♡

光木:お久しぶりです! 今回はシーアイランドコットン※Aを使ったニットですか。シーアイランドコットンって、海島綿協会に入らないと素材名を名乗れないんですよね。加入したんですか?

A:海島綿ともよばれるコットンの最高品種の1つ。西インド諸島のカリブ海にて栽培される。コットンのわずか1.7%しか採れない超長綿全体の中でも0.01%しか収穫されない希少種で、繊維長は○○cmとスビンよりも長く、径も細い。

高橋:ええ。今まではハードルが高くて難しかったのですが、満を持して。

光木:やっぱり肌触りが抜群にイイですよねー。普通のコットンではまず味わえないシルキータッチ♡ 値段はおいくらなんですか?

高橋:クルーネックニットで1万9910円です。

光木:さすがに手頃とはいかないけど、素材のよさを考えればお値打ちだ。

高橋:頑張りました(笑)。今はいろいろな超長綿が世に出ているので、なぜシーアイランドコットンで?というのはボクも思ったのですが、超長綿の頂点といえばやっぱりシーアイランドコットンなわけで。

光木:ギザコットンじゃダメだったのね。あ、でもギザでもニット作ってましたよね。

高橋:ええ、やってました。でもボクの憧れでもあるジョン スメドレーは、昔からシーアイランドコットンを用いたニットを作っていて。だからシーアイランドコットンには、個人的にも特別な思いがあるんです。ずっと使ってみたかった。

光木:服好きが憧れる素材っていろいろあるけれど、シーアイランドコットンは最初に覚える名素材ですよね。ボクもジョン スメドレーとセットで覚えた。余談だけど、じつはジョン スメドレーの工場行ったことあるんですよ、ボク。

高橋:そうなんですか!? いいなー。イギリスのどのあたりにあるんですか?

光木:中部のダービーシャーってところです。ダービー発祥の地で、コベントリー大聖堂がある。

高橋:へえー。

光木:もう街がトヨタみたいな感じで、みんなジョン スメドレーに関わっている。

高橋:そんなに雇用が生まれているんですね。

光木:ちなみに、正確にはダービーシャーの中の“リーミルズ”ってところに工場があって。

高橋:あっ、だから代理店の名前がリーミルズ エージェンシーなんですか! それは知らなかったなー。

光木:脱線続きでいうと、工場の編機は島精機のものでした。日本の編機で作っているんだと思って。

高橋:今回のシップスのニットは、島精機とドイツのストール社の編機で編んでいます。今回、シーアイランドコットンの糸を初めて使いわかったのですが、番手の細いのと油分が多いので編もうとすると糸が滑ってしまい、横筋が出やすくて綺麗に成形するのが難しいんですよ。なので、今回のシップスのニットは編目の綺麗さや横段を極力防ぐために色によって島精機とドイツの編機で使い分けて編んでいます。

光木:直樹さん今までもさんざんハイゲージニット作ってきたでしょ? それでも素材が変わるだけで苦戦するってのは意外。

高橋:超長綿のかなり細い糸を、16ゲージと密に打ち込んでいる※Bので勝手が違って。ゆっくり編むだけではダメで、中間プレスという工程も必要だとわかりました。蒸気を当てて糸の目を整えるんです。このニットでは2回以上やっています。

B:極めて細く長い、毛羽立ちの少ない糸を密に編み込んでいるため、ニットはシルクのような滑らかさとほのかな光沢をもつ。

光木:あっ、いわれてみるとジョン スメドレーの工場でも見ましたよその工程。

高橋:やっぱりそうなんですね! 共通項があってなんだか嬉しいなぁ(笑)。一般的なニットではまず必要のない工程ですから。

光木:ちなみにシルエットはどんな感じなんですか?

高橋:時代性を鑑みて少しだけゆとりは持たせていますが、ドレスでも着られるように極端に大きくはしていません。幅広いシーンでご着用いただけます。

最高のコットンを最高の作りで。
目指したのは究極のベーシック

光木:何でもそうですけど、ハイゲージのニットも最近は原料にこだわらなくなったというか、安いものが増えている気がしています。

高橋:シーアイランドコットンともなると、収穫量が少ないから必然的に糸の値段が高くなる。以前は他のセレクトショップさんで使っているところもありましたが、最近は本当に見掛けなくなりましたよね。使いづらいのはわかるけれど、いい素材なのにもったいないと思っていました。

光木:最近はベーシックを見直す機運があるから、いい機会だったのでは? コロナ禍にあって、服も人間関係も、本当に必要なものが研ぎ澄まされていく中にあって、ただ安いものは排除される。みんな背景のしっかりした、物語のあるいいモノが欲しいじゃないですか。

高橋:同じように感じています。ちなみにシーアイランドコットンは西インド諸島で採れたものだけを差すのですが、今回は中でもジャマイカ産のそれを用いました。手摘みで収穫されたもので、現地の人々の雇用にもつながっていると聞いています。

光木:コーヒー栽培に近いのかな。

高橋:まさに。そのコットン農家さんも、ブルーマウンテンコーヒーのようなブランド品を目指して頑張っているそうです。

光木:エディターとして、ボクらも最近は素材の原料まで追うことが少なくなっていたので、ちょっぴり反省しています。やっぱり大切ですよ、なぜイイのか?という背景を知るのは。それはそうと、ボクはウールのチクチクが苦手だもんで、コットンニットは大好きなんですよ。このニットは色がまたイイ! 欲しい!

同色のカーディガンと
アンサンブルで着ても新鮮

高橋:ボクもびっくりしたんですけど、シーアイランドコットンって色も綺麗に出るんですね。今回は計5色で4型のニットを展開※Cしていますが、たとえばクルーネックニットの上に同色のカーディガンを羽織ってアンサンブルに※Dして着るのもオススメです。

C:ポロカーディガン、Vカーディガン、クルーネック、半袖ポロ。

D:アンサンブルで着るだけで洒落たテイストに。スラックスを合わせキレイめにこなしながら、足元はスニーカーでさらりと脱力。

光木:アンサンブル! ハイゲージニットのアンサンブル流行りましたよね、昔。ちょっぴりユニセックス感もあって、たしかにイマドキかも。

高橋:そうですね。

光木:作りのいいニットの見分け方である、減らし目やリンキング処理も丁寧※E。ここってデニムでいう赤耳、スウェットでいう丸胴みたいなディテールなんですよね。安物のニットだとこの作業を廃して、編地を裁ってただダーッと縫っちゃうから。

E:減らし目とは目数を減らして編むことで編み目の方向を変え、パターンに沿った成形をすること。リンキングとは編地と編地の間を縫うように糸を通し、伸縮性を保ったまま縫製する手法だ。目を通すには熟練の技が必要とされる。

高橋:クラシックなニットの作り方を踏襲しています。昔から「ニットはショップの顔だ!」と諸先輩方からいわれてきたので、そこはきっちりと。

光木:さすがです。最近ボク、PayPayおじさんになって財布も小さくなったんですけど、そういう変化はいいことだと思うんです。でも、服の素材のよさだったり作りのよさは、インスタントになっちゃ絶対にダメ。

高橋:素晴らしいことをおっしゃいますね。

光木:PayPayおじさんはそう思いますよ。それで恒例のアダ名も閃きました。“コットンおじさん”で! 直樹さんコットンにうるさいから。

高橋:こないだウールニットの対談したじゃーん(笑)。

上質な超長綿ならではの
滑らかーな肌触りを堪能♡

光木:お久しぶりです! 今回はシーアイランドコットン※Aを使ったニットですか。シーアイランドコットンって、海島綿協会に入らないと素材名を名乗れないんですよね。加入したんですか?

A:海島綿ともよばれるコットンの最高品種の1つ。西インド諸島のカリブ海にて栽培される。コットンのわずか1.7%しか採れない超長綿全体の中でも0.01%しか収穫されない希少種で、繊維長は○○cmとスビンよりも長く、径も細い。

高橋:ええ。今まではハードルが高くて難しかったのですが、満を持して。

光木:やっぱり肌触りが抜群にイイですよねー。普通のコットンではまず味わえないシルキータッチ♡ 値段はおいくらなんですか?

高橋:クルーネックニットで1万9910円です。

光木:さすがに手頃とはいかないけど、素材のよさを考えればお値打ちだ。

高橋:頑張りました(笑)。今はいろいろな超長綿が世に出ているので、なぜシーアイランドコットンで?というのはボクも思ったのですが、超長綿の頂点といえばやっぱりシーアイランドコットンなわけで。

光木:ギザコットンじゃダメだったのね。あ、でもギザでもニット作ってましたよね。

高橋:ええ、やってました。でもボクの憧れでもあるジョン スメドレーは、昔からシーアイランドコットンを用いたニットを作っていて。だからシーアイランドコットンには、個人的にも特別な思いがあるんです。ずっと使ってみたかった。

光木:服好きが憧れる素材っていろいろあるけれど、シーアイランドコットンは最初に覚える名素材ですよね。ボクもジョン スメドレーとセットで覚えた。余談だけど、じつはジョン スメドレーの工場行ったことあるんですよ、ボク。

高橋:そうなんですか!? いいなー。イギリスのどのあたりにあるんですか?

光木:中部のダービーシャーってところです。ダービー発祥の地で、コベントリー大聖堂がある。

高橋:へえー。

光木:もう街がトヨタみたいな感じで、みんなジョン スメドレーに関わっている。

高橋:そんなに雇用が生まれているんですね。

光木:ちなみに、正確にはダービーシャーの中の“リーミルズ”ってところに工場があって。

高橋:あっ、だから代理店の名前がリーミルズ エージェンシーなんですか! それは知らなかったなー。

光木:脱線続きでいうと、工場の編機は島精機のものでした。日本の編機で作っているんだと思って。

高橋:今回のシップスのニットは、島精機とドイツのストール社の編機で編んでいます。今回、シーアイランドコットンの糸を初めて使いわかったのですが、番手の細いのと油分が多いので編もうとすると糸が滑ってしまい、横筋が出やすくて綺麗に成形するのが難しいんですよ。なので、今回のシップスのニットは編目の綺麗さや横段を極力防ぐために色によって島精機とドイツの編機で使い分けて編んでいます。

光木:直樹さん今までもさんざんハイゲージニット作ってきたでしょ? それでも素材が変わるだけで苦戦するってのは意外。

高橋:超長綿のかなり細い糸を、16ゲージと密に打ち込んでいる※Bので勝手が違って。ゆっくり編むだけではダメで、中間プレスという工程も必要だとわかりました。蒸気を当てて糸の目を整えるんです。このニットでは2回以上やっています。

B:極めて細く長い、毛羽立ちの少ない糸を密に編み込んでいるため、ニットはシルクのような滑らかさとほのかな光沢をもつ。

光木:あっ、いわれてみるとジョン スメドレーの工場でも見ましたよその工程。

高橋:やっぱりそうなんですね! 共通項があってなんだか嬉しいなぁ(笑)。一般的なニットではまず必要のない工程ですから。

光木:ちなみにシルエットはどんな感じなんですか?

高橋:時代性を鑑みて少しだけゆとりは持たせていますが、ドレスでも着られるように極端に大きくはしていません。幅広いシーンでご着用いただけます。

最高のコットンを最高の作りで。
目指したのは究極のベーシック

光木:何でもそうですけど、ハイゲージのニットも最近は原料にこだわらなくなったというか、安いものが増えている気がしています。

高橋:シーアイランドコットンともなると、収穫量が少ないから必然的に糸の値段が高くなる。以前は他のセレクトショップさんで使っているところもありましたが、最近は本当に見掛けなくなりましたよね。使いづらいのはわかるけれど、いい素材なのにもったいないと思っていました。

光木:最近はベーシックを見直す機運があるから、いい機会だったのでは? コロナ禍にあって、服も人間関係も、本当に必要なものが研ぎ澄まされていく中にあって、ただ安いものは排除される。みんな背景のしっかりした、物語のあるいいモノが欲しいじゃないですか。

高橋:同じように感じています。ちなみにシーアイランドコットンは西インド諸島で採れたものだけを差すのですが、今回は中でもジャマイカ産のそれを用いました。手摘みで収穫されたもので、現地の人々の雇用にもつながっていると聞いています。

光木:コーヒー栽培に近いのかな。

高橋:まさに。そのコットン農家さんも、ブルーマウンテンコーヒーのようなブランド品を目指して頑張っているそうです。

光木:エディターとして、ボクらも最近は素材の原料まで追うことが少なくなっていたので、ちょっぴり反省しています。やっぱり大切ですよ、なぜイイのか?という背景を知るのは。それはそうと、ボクはウールのチクチクが苦手だもんで、コットンニットは大好きなんですよ。このニットは色がまたイイ! 欲しい!

同色のカーディガンと
アンサンブルで着ても新鮮

高橋:ボクもびっくりしたんですけど、シーアイランドコットンって色も綺麗に出るんですね。今回は計5色で4型のニットを展開※Cしていますが、たとえばクルーネックニットの上に同色のカーディガンを羽織ってアンサンブルに※Dして着るのもオススメです。

C:ポロカーディガン、Vカーディガン、クルーネック、半袖ポロ。

D:アンサンブルで着るだけで洒落たテイストに。スラックスを合わせキレイめにこなしながら、足元はスニーカーでさらりと脱力。

光木:アンサンブル! ハイゲージニットのアンサンブル流行りましたよね、昔。ちょっぴりユニセックス感もあって、たしかにイマドキかも。

高橋:そうですね。

光木:作りのいいニットの見分け方である、減らし目やリンキング処理も丁寧※E。ここってデニムでいう赤耳、スウェットでいう丸胴みたいなディテールなんですよね。安物のニットだとこの作業を廃して、編地を裁ってただダーッと縫っちゃうから。

E:減らし目とは目数を減らして編むことで編み目の方向を変え、パターンに沿った成形をすること。リンキングとは編地と編地の間を縫うように糸を通し、伸縮性を保ったまま縫製する手法だ。目を通すには熟練の技が必要とされる。

高橋:クラシックなニットの作り方を踏襲しています。昔から「ニットはショップの顔だ!」と諸先輩方からいわれてきたので、そこはきっちりと。

光木:さすがです。最近ボク、PayPayおじさんになって財布も小さくなったんですけど、そういう変化はいいことだと思うんです。でも、服の素材のよさだったり作りのよさは、インスタントになっちゃ絶対にダメ。

高橋:素晴らしいことをおっしゃいますね。

光木:PayPayおじさんはそう思いますよ。それで恒例のアダ名も閃きました。“コットンおじさん”で! 直樹さんコットンにうるさいから。

高橋:こないだウールニットの対談したじゃーん(笑)。

〜ミツキのオスミツキ〜

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